初めに「食道癌リスク検診問診票」を提示します。40-69歳では9点以上、70-89歳では8点以上は、ハイリスク群となります(禁酒群のスコアが高いのは健康問題が生じて禁酒した方が多いためです)。この群の検診での食道がん頻度は2.9%で、他の群の0.5%の6倍となっています。該当される方には、内視鏡検査を積極的にお勧め致します。 御参考にして下さい。

食道がんリスク検診問診表

食道がんのリスクとしては飲酒、喫煙がよく知られています。1日1.5合以上の飲酒で8倍、1日30本以上の喫煙で4倍、両者あわせもつと30倍の食道・下咽頭がんリスクが報告されています。ヘビースモーカー、大酒家、55歳以上の男性に絞って内視鏡検査を行うと、100人に1人弱に食道がんが発見されます。 また、お酒の代謝酵素であるALDH2型によってもリスクが異なります。ALDH2が欠損している方はいわゆる下戸で、飲酒しないのでリスクは高くありません。ALDH2が活性している方はお酒に強い方です。ALDH2が中途半端に活性している方(ヘテロタイプ)は、最初弱くても飲んでいるうちに強くなってきます。この遺伝子が中途半端な方は食道がんのハイリスクグループとなり、日本人の15%程が相当します。飲酒者の中でも更に3倍以上の食道がんハイリスクグループとなります。 他の遺伝子としてはADHIBという遺伝子がありますが、この遺伝子の低活性型は白人・黒人の90%以上が相当し、日本人では数%程です。お酒を飲んでも赤くならないが、翌日に残りやすいという特徴が外国人に特徴的なのはこのためです。食道がんのリスクは3倍弱上昇させます。 予防としては野菜や果物の摂取が確実とされています。データとしては1日の野菜・果物100g摂取あたりの食道がんリスクは、飲酒家で18%(週に発泡酒10本程度)、喫煙家で13%低下させています。 治癒可能な食道がんを発見するには、体の具合が悪くない時点で内視鏡検査を受ける必要があります。内視鏡の性能と、検査医の技量も大切です。 また、食道がんが発見されたときには、頭頸部・胃がんの重複をみることも多く、食道がんが複数箇所にみられることも多くなります。この傾向は日本人で高率となっています。  

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下図は進行した食道がんの内視鏡画像です。

進行食道癌2