40歳以上になると市町村から大腸がん検診の通知が来ます。便潜血というもので、これは便の中に血液が混じっていないか調べる検査です。腸の中にがんやポリープが存在すると、便に血液が付着する仕組みを用いています。もちろん、痔などでも便に血液は付着します。がんが存在するかどうかは、病院で内視鏡検査行って判断することになります。 2012年の統計ではがん全体の死亡率でみると、大腸がんは男性の3位、女性の1位となっています。重要度の高い病気と言えます。 100人の方が便潜血検査を行うと、6ー7人は異常と判定されます。その中で実際に大腸がんがあるのは、さらに5%以下となります。検診で異常と判断されても過度に心配せず、病院で内視鏡検査を行って頂きましょう。ただし、貧血や肉眼的血便、便通異常を伴う方は大腸がんの可能性が高くなるので、早めの受診をお勧め致します。 次いで、よく相談される内容を記述します。 もう1度便潜血を行って陰性ならば問題ないのではないかという相談をよく受けるのですが、これはお勧めしていません。がんがあっても、便潜血に異常が出ないことも珍しくないからです。1度でも便に血液が検出された方には内視鏡検査を受けるようにお勧めしています。特にお若い方で、この質問を受けます。お若くてもがんになってしまう事もあります。20代、30代の大腸がんは私も時々経験します。 大腸がんは早期ならば治療可能ですし、他のがんよりも治療薬が豊富です。早期診断、早期治療が望ましいことになります。 また、内視鏡検査以外の精密検査ですが、CT、カプセル内視鏡検査があります。いずれも改良されつつあり、内視鏡検査よりも肉体的負担が少なく、人間ドックなどに用いるのは良いと思っています。より多くの方が大腸がんを疑う契機となりますから。 ただし、便潜血異常時の精密検査として、内視鏡検査に代わるには時期尚早だと思います。今後の開発に期待しています。 最後に、腫瘍マーカー(血液検査で結果が出るCEAやCA19-9)は大腸がんの診断というよりも、治療の反応に用いると有効です。腫瘍マーカーが問題なければ、がんが存在しないということは言いきれません。